東京都の助成金「第5回 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」の募集日程が公開されました。設備投資に活用できる補助額最大1億円の大型助成金です。
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業とは?
助成金の概要
この助成金の公募目的は以下のように記載されています。
事業区分としては以下の4つの分類が設けられています。
- 競争力・ゼロエミッション強化
- DX推進
- イノベーション
- 後継者チャレンジ
これらの事業を行うために必要な機械装置やソフトウェアの購入費用が助成されます。助成上限額は最大1億円であり、大規模な設備投資を行いたい方は検討すべき助成金です。
申請要件
申請するためには以下の要件を満たす必要があります。申請時点だけではなく、助成事業期間終了まで満たしている必要があります。
- 中小企業者であること
- 大企業が実質的に経営に参画していないこと
- 基準日時点で東京都内に登記簿上の本店または支店があること
- 基準日時点で都内で2年以上事業を行っていること
スケジュール
スケジュールは以下のようになっています。
まずは東京都中小企業振興公社のWEBサイトから5月19日までに申請予約を行う必要があります。
その後、Jグランツにて6月16日までに申請を行い、その後に書類審査が行われます。書類審査(一次審査)で合格となれば面接審査(二次審査)に進むことになります。
事業再構築補助金などの国の補助金とは異なり、面接審査もあるため、その対策も必要となります。
助成事業期間は交付決定日の翌月1日から1年6ヶ月(最長令和7年3月31日)です。
申請にはGビズIDプライムの取得が必要なので、申請を検討される方は、お早めに取得申込をしましょう。
助成率・助成限度額
助成率・助成限度額は以下の表のとおりです。
事業区分や企業規模ごとに助成率・助成限度額が異なりますが、最大で1億円の助成を受けることができます。
ゼロエミ(ゼロエミッション)要件とは、省エネ性能が高い機器の導入や、省エネの取り組みを計画し、効果が高いと判断された場合は、助成率が引き上げられるものです。審査を希望する場合は別途「ゼロエミッション概要書」も作成し、一緒に申請する必要があります。
事業区分詳細
申請を行うには、以下の4つの類型のうち、いずれかの事業を行う必要があります。
Ⅰ.競争力・ゼロエミッション強化
更なる発展に向けて競争力強化を目指した事業展開に必要となる機械設備を新たに導入する事業及び、競争力を強化しながら大きく事業の省エネを実現するために必要となる機械設備を
新たに導入する事業。
Ⅱ.DX推進
IoT、AI、ロボット等のデジタル技術の活用により、新しい製品・サービスの構築や既存ビジネスの変革を目指した事業展開に必要となる機械設備を新たに導入する事業。
Ⅲ.イノベーション
都市課題の解決に貢献し、国内外において市場の拡大が期待される産業分野(※)において、新事業活動に取り組むことで、イノベーション創出を図るために必要となる機械設備を新たに導入する事業。
Ⅳ.後継者チャレンジ
事業承継を契機として、後継者による事業多角化や新たな経営課題の取り組みに必要となる機械設備を新たに導入する事業。
自社で取り組む事業が、これらの要件に該当するか、まずは確認してみましょう。
助成対象経費
助成対象となる経費は以下のとおりです。
事業区分 | 対象経費 | 1基あたりの下限額 |
---|---|---|
Ⅰ.競争力・ゼロエミッション強化 Ⅲ.イノベーション Ⅳ.後継者チャレンジ | ・機械装置 ・器具備品 ・ソフトウェアA(※) | すべて1基50万円(税抜)以上 |
Ⅱ.DX推進 | ・機械装置 ・器具備品 ・ソフトウェアA(※) ・ソフトウェアB(※2) | すべて1基50万円(税抜)以上 |
(※2)ソフトウェアB:生産や役務の提供には使用しないが生産性向上に寄与するもの(これ単独での申請は不可)
資産の区分は「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」に準拠します。これ以外の経費(構築物等)は対象外なので、分類が不明な場合は顧問の税理士等に確認しましょう。
設備の設置場所は東京都内または近隣県(神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県、山梨県)に限定されます。近隣県に設置する場合は本社が東京都内にある必要があります。外注先等他社所有の場所には設置できませんので、ご注意ください。
また、ソフトウェアは原則パッケージソフトの購入が対象で、スクラッチ開発のシステムは対象外となります(Ⅱ.DX推進は除く)。また、サブスクリクション費用も対象外です。
ソフトウェアは上記以外にも様々な制約条件があります。事業概要資料や募集要項をよく確認して申請しましょう。
まとめ
本助成金は最大助成額が1億円と規模が大きく、事業再構築補助金の売上減少要件やものづくり補助金の賃上げ要件などもないため、大型の設備投資を行い、新分野への進出や生産性の改善を行いたい事業者の方は是非活用を検討するべきでしょう。
補助額が大きいため審査も厳しく、競争率も高いことが想定されます。また、国の補助金ではない、面接審査もあるため、しっかりとした準備が必要です。
当社でもサポートを行っておりますので、申請に不安がある方はご相談ください。
参考(取り組み事例)
取り組み事例のイメージが湧かない方は、東京都中小企業振興公社に過去の採択事例が掲載されているので参考にしてください。