2024年も、ものづくり補助金は公募予定となっています。
ただ、次回からルールや申請枠が変更となることが発表されています。
今回は2024年の「ものづくり補助金」について解説していきたいと思います。

注意!

本記事は2023年12月5日時点の情報に基づき記載しています。公募条件などは今後変更となる可能性がありますのでご了承ください。

2024年の「ものづくり補助金」概要

申請枠・補助率

経済産業省「ものづくり補助金チラシ令和5年12月版」

次回より、申請枠が一新されます。

省力化(オーダーメイド)枠

注目は新設された「省力化(オーダーメイド)枠」です。活用イメージとしては以下のように記載されています。

熟練技術者が手作業で行っていた組立工程に、システムインテグレータ(Sier)と共同で開発したAIや画像判別技術を用いた自動組立ロボットを導入し、完全自動化・24時間操業を実現。組立工程における生産性が向上するとともに、熟練技術者は付加価値の高い業務に従事することが可能となった。

経済産業省「ものづくり補助金チラシ令和5年12月版」

製造現場やサービス提供場所において、省力化のために導入するAIやロボットなどの投資費用が対象となるようです。

補助上限額は750万円~8000万円、補助率は原則1/2となります。大幅な賃上げに取り組む事業者に対しては補助上限額が上乗せされ、最大1億円が補助されることになります。

賃上げ要件が無くなる訳ではないので、雇用を削減することはできないので注意しましょう。

「オーダーメイド」とある通り、おそらく個別仕様で製作を依頼するロボット・設備等が対象となるものと思われます。既製品を購入する場合は別途公募される「中小企業省力化投資補助事業」を活用することになるのではないでしょうか。

製品・サービス高付加価値化枠

製品・サービス高付加価値化枠は「通常類型」と「成長分野進出類型(DX・GX)」に分かれています。

おそらく「通常類型」がこれまでのものづくり補助金と同等の申請枠でしょう。

成長分野進出類型(DX・GX)については、これまでの「デジタル枠」と「グリーン枠」をあわせたようなものとなるのではないでしょうか。また、「成長分野」とあるので、事業再構築補助金の成長枠のように、一定の業種分類要件が課せられる可能性もあります。

補助上限額は「通常類型」が750万円~1250万円(補助率1/2)、「成長分野進出類型(DX・GX)」が1000万円~2500万円(補助率2/3)となります。

グローバル枠

これまでの「グローバル市場開拓枠」の後継枠でしょうか。

海外事業の拡大・強化を図るための投資が対象となるようです。補助上限額は3000万円、補助率は1/2となります。

実績報告期限について

これまでのものづくり補助金の事業期間は交付決定後10ヶ月間(ただし、最長で採択発表日から12ヶ月の日まで)でしたが、次回公募については補助事業完了期限が令和6年12月10日までとなり、補助事業期間が短くなる予定です。

事業期間が短くなるため、申請を検討している方は、補助事業が令和6年12月10日までに終わらせられるよう、綿密に計画を立てて進めましょう。

公募回数について

令和5年度補正予算としては2回公募を行うようです。これまで年4回ほど公募があったので、チャンスは少なくなりますね。ただ、来年2回だけの公募なのか、その後違う予算で公募があるのかは不明です。

まとめ

2023年12月5日時点で17次締切の公募要領が出ていないため、詳細な情報は不明ですが、事業再構築補助金が縮小される予定のため、ものづくり補助金の人気が高くなりそうです。「省力化(オーダーメイド)枠」は大幅な賃上げを絡めると最大1億円補助となるため、大規模な投資を検討されている方にはチャンスですね。

競争率が高まることが予想されるため、申請をご希望の方はお早めにご相談ください。